食作家である園山真希絵氏がオーナーである「そのやま」である。
島根県出雲市で生まれ、高校時代まではお菓子や高カロリーのものを好み、体重の増加やアトピーなどに悩んでいたが、その後、自分が嫌いであった豆の効用を知り、豆を取り入れた料理をいただくことで、体質が改善されたという経歴を持つ。食生活の改善でダイエットに成功したことがきっかけで、食の道に進み、2015年に「そのやま」がオープン、2019年春、一年の充電を経て復活した。
提供される料理は、「人を良くする」と書くと「食」。楽する、ではなく楽しむ人生、という「楽天人生」という2つの言葉をテーマに、店主の故郷である縁結びの出雲食材をはじめとした日本全国の素晴らしい食材を用いる。醤油は有機JAS認定された木桶醤油、のびのびと放し飼いされている元気なニワトリの「かぐや姫」、神在湖の蜆、島根県の「板わかめ」など、体を元気にしてくれる食材を用いた、歳時記にちなんで命名した7-8品程度のコースを提供。「そのやま」の前身である「園山」の時代からのスペシャリテである肉じゃが、ハンバーグも楽しめる。特筆すべきは、故郷島根県の作り手さんが熱意と努力・手間暇を惜しまず育てあげた3種の「栽培期間中農薬不使用&化学肥料不使用」米を、 五つ星お米マイスター山下治男氏による手法で作り上げたオリジナルの唯一無二なお米である「そのや米」。奥出雲町「響さんのコシヒカリ」、雲南市「“結の郷”のきぬむすめ(きよたき米)」、松江市「“神々の里 中賀美ファーム”のヒカリ新世紀(オゴノリ米)」を独自の黄金比率で調合し、白米=「飯出愛米」と、玄米=「厳源元米」を完成。お土産に持ち帰ることができる数量限定 砂糖不使用(糖質オフなりさん)で作る幻の「その山いなり」〜愛なり〜、玄米100%のおこげ煎餅もご予約時にお土産としてオーダーが可能。
また、お料理とともに提供されるお酒は、オリジナル日本酒、店主の名を冠した「そのやま」「sonoyama up nippon」、白ワイン「そのやま」など、ここでしか味わえないものが「ジャポニカ学習帳」を用いたメニューノートに記されている。肩肘はっていただくものはここにはなく、ちょっとした遊び心や演出が、ゲストを和ませてくれる。
「最後の晩餐は大切な家族と家で。その前日は外食。そんな最後から二番目の晩餐に大切な方と来てもらえるようなお店」をコンセプトとし、園山氏の経験から滲み出る、体を元気にする、あたたかな気持ちになれる品々をいただくことができる。
体を食べることからきれいにし、心を落ち着け、その日に嫌なことがあっても、また明日も頑張ろうという活力になるような一日の最後の晩餐をそのやまでぜひ。