清水焼や京扇子の街として、古くから知られる清水・五条坂。今でも昔の名残をとどめている界隈に店を構える『はり清』。創業は1659年。付近の寺社を訪れる客の為に小さな茶店として始まって以来、現在もその歴史を重ね続けている老舗だ。
「はり清の料理は出汁が要」と話すのは、滋賀『招福楼』で修業をした、十二代目若主人 森本知行氏。旬の素材を活かして季節感を表現し、出汁をしっかりときかせた奇をてらわぬ正味の京料理を信条としており、煮物椀やすっぽん料理は特に食べてみたい逸品である。
また、客人の好みに合わせた料理にも快く対応するのが、町衆から今でも愛される理由のひとつでもある。「できません、とは言わない」という哲学のもと、真心をこめたもてなしの料理を今日も作り続けている。
■アクセス
京阪本線「清水五条」駅2番出口より、徒歩5分