2017年秋。広尾商店街を抜けた住宅地の一角に、食通が注目する新たな食空間がオープンした。ラテン語の壮麗な抒情詩「頌歌」を意味する『Ode(オード)』である。その言葉の意味は「想いを伝える」ということ。オーナーシェフの生井氏は、「生産者の想い」を料理としてプレゼンテーションし、訪れるゲストたちへ、「生井氏の想い」をしっかり伝えていきたいと語る。
生井氏は、東京都内や軽井沢のフレンチレストランで修業し、『シック・プッテートル』のシェフを務めた実力派。2019年度版の世界的グルメガイドブックにて、一つ星を獲得した。オープンまでの間、納得のいく食材をセレクトすべく日本の各地をめぐり、生産者とコミュニケーションを取ることに時間を費やした。魚は五島列島や金沢、八幡浜、函館などの港を巡り漁師との対話し海への想いの強い方から提供いただき、野菜は土と対峙している思いのある農家の方から仕入れていくという。
ディナーはスナックを含む11皿の構成。フレンチの古典的な要素や、ソースを大事にしつつ、常に斬新でモダンな仕立てなどを盛り込んだガストノロミーを提供し、それを常にブラッシュアップしていく。
店内はグレーを基調とした、エントランスから一段上がったカウンター13席。ここはカウンターというよりもさながらシェフズテーブルといった楽しみを味わうことができる。そして、4名で利用できる個室と6名の半個室もあり、用途に応じて活用できる空間が用意されている。生井シェフの『Ode』の世界へ、ぜひ足を運んでいただきたい。
■アクセス
東京メトロ日比谷線 広尾駅2番出口 徒歩5分