祇園四条駅から徒歩5分、八坂神社からほど近くしっとりとした雰囲気の祇園の街に溶け込んでいる『にくの匠 三芳』。独創的な肉づくしの懐石コースが評判の肉割烹である。
大将の伊藤力氏は、以前飲食店でサービスを担当していた。ある時牛肉の卸をしていた友人から鮮度抜群の牛肉を特別に食べさせてもらう機会があり、そのおいしさに衝撃を受けて牛肉料理に開眼。試行錯誤しながら研究し、2005年に同店を開業する。最初はもっとカジュアルなスタイルだったが、ゲストの後押しもあり自身の探求心に従ってオリジナルの創作料理を取り込んでいき、現在のスタイルへと行きついた。
料理は基本的に月替わりの懐石コース1種類。肉で取った出汁と季節の食材を組み合わせたお椀に始まり「タンの昆布締め」、「サマートリュフとサーロインの飯蒸し」などその時々の創作料理、しゃぶしゃぶやステーキといった正統派の肉料理が組み合わされた、肉好きにはたまらない肉尽くしの料理が供される。すべて肉が主体ではなく、肉で出汁を取るなど“支え”として肉を使う料理も交え、コースに緩急をつけているのも伊藤氏の肉懐石の楽しいところ。松茸やトリュフといった贅沢な季節の味覚も積極的に取り込み、ゲストの頬を緩ませる。メインのステーキ用には5つの異なる部位が用意され、好みによって選ぶことが出来る点も好評だ。牛肉は雌のみでその時々の美味しいものを厳選しており、例えば神戸牛や近江牛、希少な特産松坂牛などを使用する。
祇園らしい落ち着いた和の雰囲気の客席は、カウンター6席とテーブル席12席。接待など落ち着きたい場合はテーブル席、肉好き同士での利用なら、大将の調理シーンが見られるカウンター席で。次は何が出てくるだろうとワクワクしながら肉を堪能できる、夢のような時間が待っている。
※世界的グルメガイド京都・大阪 2023年度版にて一つ星を獲得
■アクセス
京阪本線 祇園四条駅 徒歩5分