鮨の最高峰といわれる東京・銀座の中でも、数々の実力店がひしめく銀座8丁目エリアに店を構える『鮨 石橋正和』。大将の石橋正和氏は、海外にも姉妹店をもつ銀座の鮨店を、若くして人気店へと育て上げてきた実力を持ち、2017年10月、満を持して独立を果たした。
石橋氏は、1981年生まれ。実家は栃木で鮨店を営んでおり、高校生の頃には握りを含め一通りの仕事ができるようになっていたという。高校を卒業後すぐにアメリカに渡り、学業の傍ら日本人の経営する鮨店に勤務。そこで、自分の技術で世界中の人を喜ばせられることに気づいた石橋氏は、さらなる鮨の技術と英語の習得に努め、5年間の修業を終え帰国。銀座の鮨店に就き、同店を一つ星に、さらに系列店であるシンガポールの鮨店を二つ星に導いた経歴をもつ。
国内外の食通の舌を唸らせてきた石橋氏が自身の店で目指すのは、銀座の凛とした鮨店ではなく、アットホームな雰囲気でリラックスして食事を楽しめる空間。白木のカウンターをはじめ網代と組子の天井、扉や木彫りの冷蔵庫など、店内は温かみのある木がふんだんに用いられており、上質な非日常感を演出している。
一方、料理に関しては、「江戸前の固定観念にとらわれずに美味しいものを探求し、お客様に喜んでいただくこと」が理想だと語る石橋氏。酢飯は、5年熟成と3年熟成の赤酢をブレンドしており、絶妙の頃合いを見極めて、熟成させた魚の旨みをより高みへと引き上げる。炭火で炙った〆鯖や、トリュフを添えたふぐの白子といった意欲的な酒肴の数々と、30種類以上を揃える日本酒とのマッチングも『鮨 石橋正和』ならではの醍醐味だ。さらに、石橋氏は英語が堪能とあって、外国人のゲストも多い。海外からの大事な来客をもてなすにもふさわしい1軒だ。
■アクセス
JR・東京メトロ「新橋」駅より、徒歩5分