都営「新御徒町」駅から徒歩5分ほど、下町情緒あふれる台東区の住宅街の一角にある『てんぷら下村』。店主の下村満彦氏は、天ぷらの名店として名高い『てんぷらと和食 山の上』に20年勤め、副料理長まで任された人物。高級店である修業店よりもリーズナブルな価格で楽しめる店として、2017年9月にオープン。2019年度版の世界的グルメガイドブックにて、一つ星を獲得した。
食材は下村氏自ら築地に足を運び、旬のものを目利きし仕入れる。例えば冬から春にかけては、フグの白子や生うに、フキノトウやタラの芽などで、季節の味をコースで提供。コースの後半で、アラカルトでいただきたいサツマイモの天ぷらは、40分かけてじっくりと揚げることで、ぎゅっと甘さが増してデザート風に。お好みでブランデーをかけるとマロングラッセのような味わいが楽しめる。
丁寧に仕込んだ素材は、氷で冷やす昔ながらの氷式冷蔵庫を使い、乾燥させずにベストな状態で保存。修業店と同じく薄く、揚げ油はごま油を使用。低温と高温2つの温度帯の天ぷら鍋を素材に合わせて使い分け、絶妙な温度で揚げており、揚げたてを天つゆか沖縄の塩でいただく。アルコールは、季節のオススメの日本酒と、焼酎、ワインなどを揃えている。
名店譲りの天ぷらをさらに引き立てるのが、『てんぷら下村』流の家庭的なもてなしである。女将が自らラフを描いたという店舗は、余裕を持って10人が着席できる広々としたカウンター席と、4人掛けのテーブル席で構成。木のぬくもりを活かし、ほっこりとした雰囲気を漂わせている。赤ちゃん連れも大歓迎で、温かな雰囲気で極上の天ぷらが味わえると、すでに地元の人たちの間では口コミで評判となり、遠くから足を運ぶ食通も増えてきている。下町の気軽さと高級店の味を兼ね備えた期待の新鋭店の天ぷらを、ぜひ一度味わってみてはいかがだろうか。
※世界的グルメガイド東京 2023年度版にて一つ星を獲得
■アクセス
都営大江戸線・つくばエクスプレス「新御徒町」駅A4出口より、徒歩5分
都営浅草線「蔵前」駅A3出口より、徒歩7分