隅田川の東岸に位置し、都内最大の花街として知られる向島。歴史ある料亭が数多くあるなか、伝統と親しみやすさを兼ね備え、初心者でも利用しやすいと評判なのが『料亭きよし』である。創業は昭和24年で、当時のままの土地と建物を守り続けて70年。伝統的な和の木造家屋が懐かしい昭和の雰囲気を漂わせている。
現在店を支えているのは、三代目女将の小林綾子氏。大学に招かれて講義をするなど下町文化に造詣が深く、『きよし』の伝統と品格をしっかりと守ってきた。店では女将や仲居さんが、きりりとした着物姿で接客。きっぷのよさで知られる向島の芸妓を手配し、お座敷で踊りや三味線を披露してもらうことも可能で、日本伝統の文化とおもてなしを堪能できる。
敷居の高いイメージのある料亭だが、下町情緒にあふれ、堅苦しくないのが向島流。女将が気さくに対応してくれるので、お座敷遊び初心者や外国人のゲストにもお勧め。料理は、築地をはじめ全国各地から旬の食材を集め、四季の恵みを感じさせる本格的な会席料理を提供している。
店内は個室全6室で、2~3人用のこじんまりした小部屋から、25人まで入れる大広間まで用途に応じて使い分けが可能。すべてが風情のある畳敷きの和室で、外国人のゲストやご年配の方にうれしい掘りごたつ席もある。部屋によってはカラオケも備えているなど、ゲストのニーズに柔軟に応える姿勢もうれしい。空間からサービス、料理まで、すべてが絶妙に組み合わさり、日本伝統の衣食住を一度に体験できる“料亭”という文化を、ぜひ一度ご堪能いただきたい。
■アクセス
東武スカイツリーライン「曳舟」駅より、徒歩8分