日本文化発祥の地・奈良の郊外、2000坪の敷地に建つ瀟洒な石造りの洋館。1975年、郡山城の武家屋敷地だった現在の地でレストラン『辨慶』として始まり、東大寺で使われてきた「日の丸盆」をアンダープレートに、箸でフレンチを味わう新しいスタイルを提案。創業25周年を迎えた2000年に全館リニューアルし、本格フレンチを味わえるグランメゾンとして生まれ変わった。
オーナーシェフの尾川欣司氏は、代々料亭を営む家柄に生まれ育ちながらもフランス料理に魅せられ、茶懐石の伝統を取り入れた創作洋風懐石を編み出した第一人者。皇室や各国の賓客を多数もてなしてきた実績と、地産地消や食育、スローフードなどへの取り組みも評価され、2017年には国土交通省より旭日中綬章を受章している料理界の重鎮だ。
地産地消やスローフードの考えのもと、地元奈良の食材にこだわり続け、また自らも食材を生み出す側に携わってきた尾川氏。素材の生命力溢れるお皿の上を美しく彩る食材は、契約農家から仕入れる大和野菜や、自家製のスモークハム、さらには敷地内の畑で無農薬野菜や果実を育て、養蜂までも行なう徹底ぶりだ。さらに、重厚なワインカーブに収容するワインは、約150種。フランスワインを中心に、近年は国産ワインにも力を入れている。
重厚な扉と大理石のアプローチが迎えるラグジュアリーな館内は、中庭を臨む80席のメインダイニングのほか、2階には大小の個室も完備。大倉陶園やナルミ、クリストフルなどの器やカトラリー、国内外の著名作家の絵画、アンティークの調度品なども、最高級のもてなしのひとつ。ビジネスシーンはもちろん、ご家族三世代でのお祝いや、初めての記念日がここという若いカップルなどまで幅広いゲストの人生に立ち合い、記憶に残る大切なひとときを贈り届けている。