京都・祇園四条駅から徒歩4分、花見小路通から一本入った場所にたたずむ割烹料理店『ぎをん今(こん)』。以前から人気だった老舗割烹を、2011年に現在の大将・今 陽介(こん ようすけ)氏が引き継いだ。取材もすべてNGで紹介制を通しており、地元の老舗企業の経営者や祇園の芸妓さんといった先代時代からの御贔屓筋が、いまも足しげく通うという知る人ぞ知る名店である。
「お客さんにどう寄り添っていくかを考えて料理を作っています」という今氏。熱い状態で食べていただきたいものは熱い温度で、冷たい状態で食べていただきたいものは冷たい温度で提供する。その上でゲストの好みを尋ね、量や味付けに至るまでゲストそれぞれの好みに合わせた料理を作り上げる。通年のスペシャリテでは、「鮑オランダ煮」と遠火でじっくりと蒸すように焼いた「和風ステーキ」。さらに春はホタルイカのしゃぶしゃぶ、夏は名物の鱧をしゃぶしゃぶや落とし、焼き霜などで。秋は松茸、冬は蟹しゃぶと、季節ごとの食材を使った名物料理も評判が高い。さらに料理を引き立てるのが、カウンター奥に並べられた名作の数々。お酒は日本酒がオススメで、その時期飲み頃のものを常時5~10種類ほど取り揃えている。
昔はお茶屋だったという築170年の建物は、三和土で靴を脱いであがるスタイル。カウンター13席と、4~5名用の個室に加え、2階には10席のお座敷も備えており、日常使いから接待まで幅広い用途に向く。これまで一部の御贔屓さんしか味わえなかった希少な割烹の味ともてなしを、ぜひ一度体感していただきたい。
■アクセス
「祇園四条」駅より徒歩4分