福岡を代表する大都市・博多のなかでも、大名エリアは細い路地に個性的なファッションや飲食店が密集する、感度の高い街。その大通りから少し入った路地裏に見える、格子戸と白い暖簾。大人が落ち着いて楽しめる鮨店と評判の『鮨くま』は、2014年に一つ星を獲得した実力店である。
店主の熊谷 隆氏は、4年半修業を積んだ博多・中洲川端の『天勺(てんじゃく)』をはじめ、鮨や和食店にて経験を重ね、2009年7月に独立開業。地元・九州の食材をもちいて、地産地消と季節の食事を愉しんでもらうことをモットーに、旬のコースを仕立てる。毎朝、熊谷氏自ら市場に足を運んで仕入れる食材は、魚介はもちろん、野菜や米も九州産。酢〆のコハダや漬けにしたマグロ、昆布〆のヒラメといった江戸前の握りに、時折きかせる柑橘の香りがコースに緩急を生む。四季折々の魚介の素晴らしさを表現しながら、旬野菜のお浸しや酢の物、特製茶碗蒸しなど、ほっと一息つける味わいのつまみ(小料理)にも抜かりがない。料理と相乗効果をうむ日本酒も、食材同様に九州産を中心とした銘柄を豊富に揃えており、90mℓ / 300円~というリーズナブルな価格で愉しめるとあって、酒もつまみもしっかり進んでしまうことだろう。
店内は、白を基調とした明るい雰囲気。温和な熊谷氏の人柄もあり、初めての来店でも緊張することなくリラックスして食事を楽しめる。客席は、カウンター8席のほか、最大6名の個室が1部屋あり、記念日やデート、接待・会食などシーンを問わずに活用できる。「福岡に旅行で来た際には、記念の食事としてぜひお越しいただきたい」と熊谷氏。思い出に残る福岡の夜を約束してくれるはずだ。
■アクセス
福岡市地下鉄空港線「赤坂」駅2番出口より徒歩7分