軽井沢の緑に囲まれるようにして建つ、前面ガラス張りの瀟洒な一軒家。豊かな自然に育まれ、良質な食材が揃うこの地に、『無彩庵 池田(むさいあん いけだ) 』はある。
オーナーシェフの池田昌章(いけだ まさあき)氏は、外食好きな父の影響で料理人を志すこととなり、エコール・キュリネール国立、フランス校エスコフィエ卒業後、フランスで半年間修業。帰国後、東京、横浜のフレンチや和食で腕を磨き、軽井沢『エルミタージュ ドゥ タムラ』姉妹店の『無彩庵』へ。7年間シェフを務めたのち、2011年4月、同じ場所で自身の名を冠した『無彩庵 池田』を開業した。
プレートの上を鮮やかに彩るのは、生産者との交流を大切にして池田氏が選び抜いた食材たち。とりわけ印象的なのが、ふんだんに使われた軽井沢の野菜で、スペシャリテ「キタアカリの冷製ポタージュ」では、小諸・工藤農園の「キタアカリ(ジャガイモの品種)」にこだわり、キタアカリのスープにトリュフとコンソメのアイスを添え、食感や香りの広がりをもたせている。どの料理も仕立ては軽やかながら、素材のもつ生命力をイキイキと感じることができる。また、食材や調味料、調理法などに和のテイストをさりげなく取り入れているのも特徴で、お酒もワインのみならず、長野県産の日本酒や焼酎も用意。年配の方も食べやすく、親しみやすいフレンチが、県外からも多くのゲストを呼び寄せている。
自然光と緑に包まれて静かな時間が流れる店内には、カウンター席と、テーブル席を用意。木曽の作家、般若芳行氏が手掛けたイスやテーブル、陶芸品のプレート箸置きなど、手づくりの品がスタイリッシュな空間に温もりを添えている。食を通じて、生産者の想いや、長野という土地の魅力を感じられる『無彩庵 池田』。ここでしか食べれない味わいを楽しみに、穏やかな心もちで訪れていただきたい。
■アクセス
しなの鉄道「中軽井沢」駅 南口より徒歩20分