白金台の老舗フレンチ『OZAWA』の跡地を引き継ぐ『Restaurant L'allium(レストラン ラリューム)』は、2018年8月にオープン。オーナーシェフの進藤佳明(しんどう よしあき)氏は、横浜・元町『ふらんす懐石 修廣樹 (シュウコウジュ)』(閉店)でフランス料理の修業を始め、六本木『ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション』、元麻布『ボン・ピナール』を経て、2007年に『ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション』へ副料理長として復帰。翌2008年には二つ星に輝き、その後、『ジョンティ アッシュ』のシェフに就任すると、一年目にして一つ星を獲得した逸材である。
コンセプトは、“モダン・グラン・メゾン”。進藤シェフが目指すのは、グランドメゾンのゆったりとした安定感と、緊張し過ぎることなく寛げるレストラン空間。「本物のグラン・メゾンが少なくなる中で、大先輩の小澤シェフが紡いだ30年の誇りある歴史を継承し、しっかりとしたおもてなしをしていきたい」と気を引き締める。料理のテーマは、旬を大切にしながら素材の味を最大限に引き出すこと。素材は日本全国から取り寄せ、野菜は品種ごとに決まった生産者から直接仕入れることも多い。進藤氏のスペシャリテは、島根県産の黒アワビを8時間やわらかく蒸し上げたひと皿。『ジョンティ アッシュ』時代から続くメニューで、これを目当てに訪れるゲストも多いという。ワインはブルゴーニュやシャンパーニュを中心に揃える。
コンサートホールをイメージして建てられた空間には、木の素材が多く用いられ、音が反響する造りになっている。ゲストの動き一つ一つ、行動する音の一つ一つがミュージックとなり、一つのレストランの音楽となっていく。オープンキッチンのカウンター席のほか、16~20席のダイニングと、絨毯の敷かれたラグジュアリーな個室(2~6名様)を用意。『OZAWA』から引き継がれたクリストフルのシルバーで料理を味わいながら、『OZAWA』の歴史とともに、“モダン・グラン・メゾン”の可能性に想いを馳せていただきたい。
■アクセス
都営三田線「白金台駅」1番出口より徒歩5分