テレビ局やオフィスが並ぶ賑やかな、東京・赤坂の繁華街から一本入った場所に、ひっそりと店を構える鮨店『すし晴(はる)』。店主の佐藤 治彦(さとう はるひこ)氏は、宮城県出身。中学生の頃に鮨職人を志し、18歳より浅草の老舗鮨店で10年経験を積み、さらに早稲田の和食店や西麻布の鮨店で10年修業ののち、2018年6月、満を持して独立を果たした。
赤坂という立地を選んだのは、隠れ家のような雰囲気があり、少人数で訪れ、ゆったりと美味しい鮨とお酒を楽しんでもらえるような理想の店づくりが実現できると感じたからだという。扱う魚介類は、毎日、佐藤氏が築地へ行き、自らの目で確かめて仕入れる。マグロは、築地一とも名高い、マグロ専門仲卸「やま幸」から。その他、夏は北海道・利尻島や三陸の雲丹、秋はサンマやサバといった光り物、冬はカワハギ、白子、生イクラなど。四季折々の素材をメインに、握りで季節を感じられるようにコースを組み立てていく。さらに特筆すべきは、酢飯のおいしさ。富山県「コシヒカリ」と宮城県「ササニシキ」をブレンドして羽釜で炊き上げるご飯は、米の粒がピンと立ち、ツヤツヤと輝く。そこに、赤酢や米酢など4種の合わせ酢を加え、魚介の味を引き立てるよう仕立てる。そんな酢飯のうまさが際立つ握りに合わせたいのは、やはり同じく米を原料とする日本酒。佐藤氏の故郷である宮城の日本酒をはじめ、食事を邪魔しない味わいのものを揃えている。
店内は、檜の一枚板のカウンターに、モダンなデザインの椅子が9席。肘掛け付きのゆったりと座り心地のよい椅子を用意しているところにも、「ゆっくりと食事を楽しんでいただきたい」という佐藤氏の想いが感じられる。記念日やデートなどはもちろん、会食や接待など大事な人をもてなすにもふさわしい空間である。
■アクセス
東京メトロ千代田線「赤坂」駅1番出口 徒歩5分