東京・六本木、西麻布交差点からほど近い場所に、スペイン料理店『フェルミンチョ (FERMiNTXO)』はある。カジュアルでありながら手間暇を惜しまない仕事がされたスペイン料理とともに、スペインワインの奥深い魅力も伝えてくれる。
オーナーシェフ・作元慎哉(さくもと しんや)氏は、スペイン『Restaurante Alameda(アラメダ)』『Fonda Sala(フォンダ サラ)』『Restaurante Neichel(ネイチェル)』『El raco de Can Fabes(エル ラコ デ カン ファベス)』など、数々の星付きレストランで研鑽を積み、帰国後に地元・石川県のスペイン料理レストランでシェフを務めた後、2011年7月に『フェルミンチョ』をオープン。
作元シェフのこだわりの一つが、生まれ育った石川県「高農園」と「西田農園」の野菜。化学肥料や農薬を使わず、野菜チップや緑肥を施し、草をマルチ代わりにして育んだ土からは丈夫で健康な野菜が育つ。特にイモ類は肌がきれいで、味もよい。たとえば「水タコのガリシア風」では、ジャガイモをピューレにして付け合わせ、その美味しさを存分に味わえるよう表現するなど、日本の食材にもフォーカスした本格的なスペイン料理を愉しませてくれる。
シェリー酒に精通した「ベネンシアドール」やソムリエが厳選するワインは赤白合わせて常時300種類以上、シェリー酒は約50種類が揃う。作元シェフ自ら、バレンシア・レケナ市のワイナリー『フィンカ・サン・ブラス』を訪れてオリジナルワインを造るなど、ワインにかける情熱は並大抵のものではない。また、食前・食中・食後に適したシェリー酒を的確にアドバイスしてくれるのも、「ベネンシアドール」がいる『フェルミンチョ』ならではの愉しみである。スペイン全土のチーズや、生ハム・サラミなど、ワインのお供と合わせて。
店内は、カウンター席、ソファ、テーブル席、そして最大16名の個室からなり、土曜日はお子様連れの家族利用もOK。軽めの食事から記念日ディナー、会食・接待まで、目的に合わせて使い分けできるのもまた魅力である。