北海道・札幌市の中心部、中島公園の近くで緑あふれる場所にあるのが、二つ星日本料理店『温味(ぬくみ)』。コンクリートの外装から店内に一歩足を踏み入れると、屋号『温味』のごとく木のぬくもりを感じられる雰囲気の中で、大将・山本 真樹(やまもと まさき)氏が腕をふるう。
山本氏は、北海道札幌市生まれ。料理人になることを決意し、日本料理の名店、札幌『古屋(こや)』で修業し、5年後に料理長を務める。その後、大阪『かが万』で再び修業し、在香港日本総領事公邸料理人として香港へ。帰国後は、『ザ・ウィンザーホテル洞爺』の日本料理店で料理長となり、2006年に日本料理『温味』を開店。2012年には三つ星を獲得。2016年に現在の場所に移転し、翌年二つ星を獲った実力店である。
「基本に忠実に」が信念。さらには、新しいことにも取組みながら、愛情をこめて作るのが『温味』の料理。「惰性ではなく、お客様に今日もおいしいものを提供したいという日々新たな思いで、食材を厳選し、食材に心を込めている」と話す山本氏。その時期のおいしいもの、上質なものは北海道産はもちろん、金沢・松葉ガニ、加賀野菜、九州・フグや京都・京野菜など、全国から取り寄せる。
日本料理の味の要となる「だし」にもこだわる。一番だしは、天然利尻昆布の一級品を使い、二番だしには、羅臼の良質な昆布を使用する。カツオの産地は時期によって変わるが、札幌のカツオ節を扱っている取引先から、削りたての本枯節を毎日仕入れ、「だし」の風味とうまみを一番いい状態にもっていくよう力を注ぐ。
日本酒は、料理に合わせて趣の違う純米、純米大吟醸、大吟醸などを揃える。グランドメニュー6種類に加え、季節のおすすめが2~3種類。さらには、好みを熟知する客用に隠し酒も2~3種類用意するなど、日本酒愛好家をも惹きつけてやまない。
店内には、1階に6名の個室、2階に4席のカウンターとテーブル席。皿に盛られる料理の色合いがハッキリ分かるようにと、明るい空間に。天然無垢材が使われた落ち着いた雰囲気で、ゆっくりと過ごすことができるので、カップル、家族、友人同士のプライベートでも、また、仕事仲間や接待などのビジネスシーンでも、様々なシチュエーションに対応してくれる、居心地のよい日本料理である。
■アクセス
札幌市営地下鉄南北線 中島公園 3番出口 徒歩4分