福岡の繁華街・薬院からもほど近い高級住宅街にひっそりと建つ、風情ある数寄屋造りの一軒家。店主・石橋 康孝(いしばし やすたか)氏は、京都『高台寺 和久傳』で5年、東京・青山の鮨店『海味(うみ)』で5年間修業。さらに、伊勢『懐石かみむら』で2年半の研鑽を積み、2018年9月、父の経営する老舗鮨店『玉庄』の近くに自身の店『一本木 石橋』を構えた。
石橋氏が最も大事にしているのが、人との「縁」。食材をはじめ、『一本木 石橋』で扱うものはすべて、自身と縁あるものにこだわり、たとえば食材は、実際に店に食べにきてくれた人や、紹介された方からしか仕入れないという徹底ぶり。メニューは昼夜ともにおまかせコースのみで、前菜・八寸・お椀・お造りといった懐石料理の流れで進んでいき、メインの焼き物の前に鮨を数貫出すのが石橋氏のスタイル。それぞれの料理に香りと奥行きのある味わいを与えるだしは、メジマグロの節と、鹿児島・枕崎産の荒節、枯れ節を使用。ゲストごとに鰹節を削り、だしをひくという徹底ぶりで、合わせる椀種によっても配合を変え、最高の状態に仕上げる。そんな香り高い料理に合わせる日本酒は、定番の青竹酒をはじめ、料理の邪魔をしない味わいのものを厳選して揃えている。
また、石橋氏のこだわりは、店舗空間にも色濃く反映されている。設計は、那珂川町「アンダースコープデザインオフィス」が担当。施工を手掛けた嘉麻市「久衛組」は、数寄屋造りの名工として国内外に知られる京都「中村外二工務店」で修業した若き職人集団だ。客席は、1階のカウンター6席と、2階の座敷が8名。厨房はオープンな造りで、個室もカウンター型のため、目の前で調理したり、刺身をひいたりといったライブ感も楽しめる。2~3時間の食事の中で、ゲストが終始心地よく過ごせるように、細部まで空間を作り込んでいる。さらに特筆すべきは、ほっと場を和ませてくれる石橋氏の人柄。家族の祝い事や接待、デートなど、様々なシチュエーションで安心してご利用いただける。
■アクセス
西鉄天神大牟田線 薬院 徒歩10分