福岡市の地下鉄赤坂駅から徒歩約10分。繁華街・大名の雑踏を感じさせることなく静かにたたずむのが、一つ星『無尽蔵(むじんぞう)』である。カウンター席のある母屋、中庭を見渡す離れの個室がある風情ある店構えで、大将・三浦 義久(みうら よしひさ)氏が、和の創作料理を提供する。
宮崎県出身の三浦氏は、福岡市内の調理師専門学校を卒業後、『無尽蔵』の料理長として12年間勤め、2009年には経営権を譲り受け、現在に至る。「季節の恵みを受けた旬の食材、その日の気候にふさわしい新鮮なものを提供するため、お客さまを迎えた瞬間も献立は常に変わる。次は一体どんな素材を使った料理が出てくるのか、心躍らせながら会話が弾む楽しいひとときを過ごしていただきたいので、一時として妥協せず、工夫と創造で常に料理を進化させていく」と三浦氏は話す。献立は日々無限の広がりを見せるという『無尽蔵』のコンセプトが、店名の由来でもある。
地産地消をテーマとし、魚は福岡をメインに九州の天然ものを使用。もちろん北海道をはじめとする他の地域からも、これはと心惹かれる旬のものは取り寄せる。野菜は、春から初夏にかけての山菜、海浜の浜防風など、有機・自然農法の野菜にこだわる。雲仙の種採り農家が作る、自分の野菜から自分で種を採ってまた作るという究極の野菜、いわゆる〝昔野菜〟を仕入れる。秋には東北のキノコ狩り名人の方から送られる天然のキノコが、さまざまな料理に提供される。また看板メニューの「鯖寿司」も秋に登場。アラまで使う一工夫が味に深みをもたせて人気をよぶ。日本酒は全国から毎日15~20種類を揃える。店主おすすめのペアリングもリクエストできるので、好みを伝えながら自在に楽しむことができる。
母屋はカウンター16席。中庭を通って入る離れは個室で4~10名まで。春の新緑、夏の深緑、秋の紅葉、冬の雪と、中庭がみせる四季折々の景色がまた料理に華を添える。母屋ではカウンター越しに店主との会話を楽しみつつ、カップルや友人同士で和やかに、離れの部屋では接待やお祝いなど特別な日を特別な人と、「無尽蔵」に創造される料理をいただきながら、贅沢な時間を過ごしたい。
■感染防止認証店です。
■アクセス
福岡市営地下鉄空港線 赤坂駅5番出口より徒歩5分 ※改札口から5番出口まで5分ほどかかります。