大分県・JR中津駅より徒歩10分の場所にある、瀬戸内海を臨む一つ星の日本料理店『味あら井』。にぎやかな飲食店街から離れて、ゆったりと食事を楽しめる場所である。店主の荒井寛義(あらい ともよし)氏は福岡・西中州「喜家(きっか)」で約9年修業して独立、出身地の中津市で、2011年『味あら井』をオープンした。祖母が鮮魚店を営んでいたため荒井氏は幼少期から質の良い魚に多く触れ、その経験が現在の料理に生かされている。
料理はおまかせコースで、その時期で最も季節感のある食材を用いる。たとえば夏なら大分の大型アワビ、冬はクエなど、九州ならではの貴重な海の幸が豊富。漁港が近いので、漁師から直接良いものを仕入れることができるのだ。そのほか、松葉ガニや北海道余市のあん肝など、日本全国の魚介類の見立てと料理への活かし方は、まさに九州割烹と呼ぶべき、この地でなければ味わえない味覚ばかり。また、イノシシやシカなどのジビエ料理や豊後の牛肉も見逃せない。料理を載せる器にも荒井氏のセンスが光る。地元・大分の小鹿田焼(おんたやき)や佐賀の有田焼の洒脱さが料理を引き立てる。ドリンクは、日本酒を常時30種類そろえ、九州(大分・福岡)の地酒を中心に、季節ごとに料理に合うものを日本全国の銘酒から厳選。
店内は、8席のカウンターと2~12名様まで対応できる掘り炬燵式の個室を用意。お子様連れも受け入れ可能だ。店からほど近い場所には日本新三景といわれる「耶馬渓」があり、紅葉の時期には特ににぎわう。家族の記念日などのお祝いをはじめとして、仕事上の会食や親しい人たちとの集まりに、荒井氏が繰り出す九州の海の幸を、『味あら井』でぜひゆったりと楽しんでいただきたい。
■アクセス
JR日豊本線(門司港〜佐伯) 中津駅 北口 徒歩10分