長崎県・島原半島にある雲仙市国見町。島原鉄道・多比良駅から車で約3分の場所にある、畑に囲まれた一軒家レストラン『villa del nido (ヴィッラ デル ニード)』。シェフの吉田 貴文(よしだ たかふみ)氏が、故郷の土地にある人・食材・水・気候に向き合って、皿の上でおいしく表現する。テロワールを感じられる料理が評判となり、世界的グルメガイドでは一つ星を獲得している。
長崎県雲仙市生まれの吉田氏は、福岡で修業を始めると、26歳で渡伊。星付きレストランで腕を磨く中、ピエモンテ料理に惹かれていき、料理とその土地の関係性や必要性を感じる。帰国後、2015年に故郷で『villa del nido』を開業し、2019年10月にリニューアルオープンした。食材はほとんど島原半島のものを使用。吉田氏が実際に会って、意気投合した生産者から仕入れ、その食材を料理という形にしていく。島原半島の食材のピークに合わせてできる料理こそが、その時期のスペシャリテだ。店を囲む畑は、花オクラ、オクラ、ボリジ、食用花など、この土地と相性が良く、自生してくるものだけの空間にしている。ワインは料理に合わせたペアリングが中心で、イタリア産や国産など、自然に作られたピュアなワインや、南島原の日本酒「吉田屋」など、地元の酒蔵の季節の地酒も料理に沿わせて組み合わせる。ノンアルコールでは、季節ごとにピークを迎える食材で作る自家製の季節のフルーツサイダーがおすすめ。
「洗練された森の中で食事」することをイメージしてデザインされた店内は、木のぬくもりをたっぷりと感じられ、大きな窓から庭の木を眺めることもできる、自然に近い空間。料理を彩る器は、島原半島の職人の作品や、有田焼のものを使用。この土地に根づいた吉田氏の料理で島原のテロワールを感じながら、家族や友人、デートや海外ゲストとともに、ゆったりと自然の息吹を味わっていただきたい。
■アクセス
島原鉄道 多比良町駅 徒歩15分