鎌倉の地に10年余り、地元のみならず近郊からもたくさんのゲストが訪れていたスペイン料理とワインの店『Arashida(アラシダ)』。オーナーシェフの嵐田 憲和(あらしだ のりかず)氏は2021年春、同じ鎌倉市内長谷の地、由比ヶ浜駅から徒歩3分の閑静な住宅地へ移転、新たなスタートを切った。
嵐田氏は、滋賀「セルポワ」を始め、日本各地のレストランにて料理の基礎を学んだ。スペイン・バスク地方を訪れた際、老舗の二つ星レストラン『スベロア』にて「人生で一番おいしい」料理に出合ったことをきっかけに、『スベロア』のイラリオ氏の元でクラシックなスペイン料理を学ぶ。その後も『アスルメンディ』、『カサマルシアル』などスペイン各地の星付きレストランで研鑽を積んだ。
料理の味わいを大事にしていた、師匠イラリオ氏の哲学を受け継ぎ、嵐田氏は味を一番に追求する。盛り付けや演出、調理法などに余計なこだわりを入れないことこそが、嵐田氏の料理だ。「本当に必要なことだけを、大切にやっていく」と言う嵐田氏の料理は、スペインで磨かれた経験とセンスによって、食感や食材の相性などの理論に裏付けされている。しかしスペイン料理の枠にはこだわらず、日本の食材で日本人シェフが作る料理として、固定概念を超える味わいを生み出す。
以前から提供しているスペシャリテであるスペイン・アストゥリアス地方の伝統料理「ピトゥ」。焦がした濃厚なタマネギソースの鶏肉煮込みは、現地でも手間暇かけて作る人が減ってきているという、嵐田氏自慢の一皿は、「ピトゥのパエリア」に進化。伝統デザートの「アロス・コン・レチェ」も健在。品数を以前の9皿から11皿に増やし、ゲストをもてなす。そしてワインは、ソムリエの資格をもつ嵐田氏が厳選するスペインワインを中心としたペアリングをあわせて提供する。
鎌倉旅行をゆっくり楽しんだあとは、嵐田氏がゲストとコミュニケーションをとりたいと考えた、カウンター10席のシェフズテーブルで、家族や友人との会食やデート、海外ゲストのおもてなしなど、多様なシチュエーションでお愉しみいただきたい。
■アクセス
江ノ電由比ヶ浜駅より徒歩3分