群馬県南東部・館林市、東武鉄道館林駅から徒歩15分ほどの場所に、全国から鮨ファンが集まる名店『鮨おばな』はある。店のある館林市大手町は、かつて東北方面への要所であった館林城跡のすぐ近くで、城下町の雰囲気を残す静かな住宅地だ。すぐそばにある周囲5kmの城沼は、春は隣接する「つつじが岡公園」のツツジの花、夏はハスの花が沼面に群生する、憩いの場所として親しまれている。
大将の尾花 輝(おばな てるくに)氏は群馬県出身。父が鮨職人であったことから鮨道へ進み、都内で研鑽ののち地元・館林に戻り父の跡を引き継いだ。のちに現在の『鮨おばな』に屋号を変えた。『鮨おばな』の大きな特徴が、尾花氏の素材に対する確かな目利きと握りの技であるのは、衆目の一致するところだ。尾花氏は店のある館林から東京・豊洲市場まで仕入れに出向く。産地にはとらわれず、長く付き合いのある信頼ある仲買人からその時々で最も良い魚を仕入れ、その目利きの確かさには定評がある。
人気の鮨ダネの一つは、産卵時期にのみ出逢える希少な握り「いくら」。一粒一粒が主張する濃厚ないくらと、香りある赤酢を使用した酢飯が合う。また「エビ丼」は、殻と頭から出汁を取ったコクのある自家製ソースと新鮮な身を絡ませた贅沢な一品。エビの味の魅力を再確認できるだろう。ドリンクは日本酒が約30種類。利酒師である女将がセレクトする鮨に合う地元・館林の地酒や国内の日本酒が人気だ。その他シャンパーニュ、ワイン、焼酎、ビールも幅広く揃えている。
店内は尾花氏の握りを引き立てる木曽の檜製のカウンター9席と、扉がない半個室の4名テーブル1席と6名の個室座敷1部屋をそなえる。カウンターは中学生以上からで、個室座敷とテーブルはお子様連れも可能。鮨のおいしさ、楽しさをすべてのゲストに楽しんでもらいたいという尾花氏の思いが詰まった『鮨おばな』で、親しい方と鮨を心ゆくまで味わってみていただきたい。
■アクセス
東武伊勢崎線 館林駅 徒歩約10分