石川・金沢の食を支える『近江町市場』から徒歩5分ほど、観光地や繁華街からも至便な高岡町に店を構える一つ星日本料理店『金澤 せつ理(かなざわ せつり)』。大将の河田 康雄(かわだ やすお)氏は、金沢を代表する老舗料亭『懐石 つる幸(つるこう)』の二代目として名を馳せた料理人だ。
河田氏は大阪の『味吉兆』で修業し、25歳で実家の『懐石 つる幸』に戻ると、下積みからスタートし、父親譲りの料理センスを発揮。テレビ番組「料理の鉄人」では、道場六三郎氏と「あんこう対決」で名勝負を繰り広げるなど、めきめきと頭角をあらわした。33歳で料理長となり、世界的グルメガイドにて二つ星を獲得。2016年1月には、テレビ番組「情熱大陸」に出演した。しかし、料亭では調理場から座敷に運ぶまでに温かい料理が冷めてしまうという現実があった。「料理人が目の前で調理するという説得力にまさるものはない、目の前で調理するからこそ伝わる何かがある」との想いで、『懐石 つる幸』を2018年に一旦閉じると、2019年11月、カウンター席メインの『金澤 せつ理』を開店した。
食材は、ご縁のある業者との長年の付き合いを大切にしており、信頼のおける『近江町市場』の仲買から仕入れている。そして、河田氏自身がその時期に食べたいもの、その日に食べたいものを献立に組み込み、自身が苦手なものは決して提供しないという徹底ぶり。『金澤 せつ理』では、「のど黒のしゃぶしゃぶ」や「カニ味噌シャーベットの茶碗蒸し」が人気だ。女将がセレクトする日本酒は、地酒をはじめ全国のものを約15種そろえている。
客席は、カウンター7席と、個室テーブル4席を用意。カウンター正面にある大きなモニターには、金沢の風景が映し出され、金沢の風土を感じながら食事を楽しむことができるのも、『金澤 せつ理』の特徴のひとつ。器や酒器は、金沢らしい九谷焼などが食卓を彩る。金沢の魅力と、河田氏のこだわりがつまった『金澤せつ理』は、土地の人に身近に愛される店であり、県外からのゲストにも金沢の魅力を味わっていただける良店である。キャリアに裏付けられた河田氏の確かな日本料理を、ゆったりと味わっていただきたい。
■アクセス
JR北陸本線(米原〜富山) 金沢駅 東口 徒歩20分(バスをお勧めしております)