海も山もある神奈川県鎌倉市の環境が、修業先のフランス・マルセイユに似ているというシェフの山本 悠太(やまもと ゆうた)氏。窓越しに江ノ電が見える絶好のロケーションにフランス料理店『Fierté(フィエルテ)』を構え、腕を振るう。
山本氏は高校卒業後、日本橋水天宮『ロイヤルパークホテル』で4年間勤務し、渡仏。マルセイユの一つ星レストランで1年修業した。帰国してからは『銀座レカン』、茅ヶ崎『ラ・ターブル・ド・トリウミ』、外苑前『オルグイユ』と名だたるレストランで研鑽を積む。その後、故郷の神奈川県藤沢市で父親が経営するレストランを手伝いながら開業準備をし、2019年6月『Fierté(フィエルテ)』をオープンした。店名の『Fierté(フィエルテ)』は、フランス語で誇りやプライドを表す。「誇りやプライドを持っておもてなしし、お客様に笑顔になっていただきたい。食べる前のワクワク感で笑顔、食べて美味しかったねで笑顔」と話す山本氏。メニューはその日のベストなものを組み合わせ、毎日のワクワク感を大切にするため同じものは出さないのがこだわりだ。魚介は佐賀から、柑橘は高知からと全国から届く食材がたとえ重なっても、ソースやテクスチャを変えて提供する。柑橘系をアクセントに用いる料理は、修業先の南仏料理を彷彿とさせ、しっかりとしたソースなどは『銀座レカン』からインスパイアされたもの。スペシャリテにあげる「スープ・ド・ポワソン」は、修業先で習得した南仏らしいスープ。甲殻類を一切使わず、魚介だけの豊かな香りが楽しめる一品だ。シャンパーニュ、白赤ロゼと用意するワインはフランスのもののみ。ソムリエはおらず、料理人が試飲した上で『Fierté(フィエルテ)』の料理にマッチするものをそろえるので、気軽にリクエストすることをおすすめしたい。
グレーの外壁にあわせて内装もグレーに統一。無気質な中に木目調のアクセントを加え、温かみを出す。ベルナルドのお皿からリーデルのワイングラスまで、器やグラスにもこだわる。特にミネラルウォーター用のグラスは、口当たりに良いものを探しに全国を奔走したほど。店内は、にぎやかな鎌倉の町の路地を1本入った静かで落ち着いた空間。カウンター(7名)は、友人との会食やデートでゆったりと過ごしていただきたい。また三面窓に囲まれたテーブル席(最大7名)は、昼は開放感があり、夜は明かりが落ちて個室のように楽しむことができるので、家族や気のおけない仲間たちと利用されてはいかがだろうか。
■アクセス
JR横須賀線 鎌倉駅 西口 徒歩3分
※近隣にコインパーキング有