中目黒駅から徒歩5分、閑静な住宅街に店を構えるのが一つ星『日本料理 炎水』。大将の伊藤 龍亮(いとう りょうすけ)氏が、こだわりを詰め込んだ店内で腕を振るう。
『日本料理 炎水』は店名が表すように、炎=炭火で焼き、水=お出汁を引くことを探究する。お客様一組ごとにカツオ節を削り、一番だしを味わっていただく。お出汁も焼きもシンプルで日本料理の基礎だけに、「原点にして頂点。先人が築き上げて受け継いできた技術を極めて、後輩に継承したい」と伊藤氏は日々精進する。
お出汁には、半年かけて程よく水分を抜いた鹿児島・指宿にある酒井商店の本枯本節を。昆布は福井の奥井海生堂により温度、湿度を徹底的にコントロールされた北海道礼文島・香深湾産蔵囲の利尻昆布を使う。そして超軟水という鹿児島・垂水の温泉水でていねいに出汁を引き、四季折々の料理のうま味を引き出し、彩る。
「金目鯛の炭火焼き」「グジの鱗焼き」といった人気の炭火焼きは、良質な「紀州備長炭」を使用するなどシンプルな中にもこだわりをもつ。炊き合わせを「おでん」に見立てて竹串1本に刺した一皿や、日本料理の薄作りの技術をいかし、薄切りにして牡丹盛りのように提供するフルーツも『日本料理 炎水』ならではの逸品だ。
日本酒は、秋田「新政」といった入手困難なものも含め15種ほど揃える。ワインは、ソムリエの資格を持つ伊藤氏がブルゴーニュを中心にセレクト。お出汁を引く水と同じ垂水の温泉水で抽出する「自家製の水出し茶」も好評だ。
5m30cmもある、関ヶ原の天然ヒノキの一枚板カウンター(8席)が目を引く店内。付け台はできる限り低く、カツオ節を削る香などを最大限に楽しむことができる。京都の陶芸作家による焼き物や、石川・加賀市の「山中漆器」ほか、器も骨董品から現代ものまで数多く揃う。個室(6席)も用意している。
家族や友人、同僚やカップルなどで利用され、「炎」「水」を極める日本料理を存分に楽しんでいただきたい。
※世界的グルメガイド東京 2023年度版にて一つ星を獲得
■アクセス
日比谷線中目黒駅より徒歩5分