千葉駅から電車で約15分、佐倉駅からは徒歩30分ほどの場所に佇む『プレゼンテ スギ』。千葉県佐倉市の郊外にあるこの一軒家レストランは、異彩を放つ料理に日本全国の食通たち注目し客足が途絶えない。
シェフの杉岡 憲敏(すぎおか のりとし)氏は、都内のイタリア料理店で研鑽を積んだ後、地元佐倉の『リストランテ カステッロ』へ。自然豊かな佐倉の魅力を詰め込んだ料理や店構えなど、ゼロから自分たちの手で作り上げることを学ぶ。その後独立し、2016年に同じく佐倉で『プレゼンテ スギ』を開店。ここにしかない料理とお客様をもてなすプレゼンテーションで人気を集める。
店名の「プレゼンテ」はイタリア語で「現在」を表し、「スギ」は杉岡氏の名字から。「例えば昨日と同じメニュー名でも今日の方が良いものを提供できるように。毎日自分をアップデートしたい」という思いが込められる。
食材は千葉県産にスポットを当て、野菜は無農薬野菜で知られる地元農家「ハタムグリ」より取り寄せ、小麦粉もコンバイン使わず手摘みし、より精選されたものを使用。きのこや山菜、野草は杉岡氏自らが山に入り採取する。メインで提供される千葉県産「八千代黒牛」は、杉岡氏がその味に惚れ込み自身のレストランで頻繁に使ううちに認知度が上がり、今では地元ブランド牛として広く知られるようになった。
牛肉の調理法も徹底している。前日に塩やドライトマトとマリネし、うま味を底上げした牛肉を低音調理器で芯まで火を通す。ブレストチアーという冷却器でマイナス25度まで冷やした後、薪で焼く。ドリップを出さず、うま味を閉じ込めるために杉岡氏が考え抜いた調理法だ。3時間かけて焼き上げた極上ステーキは、福井「龍泉刃物」に特注した切れ味の良いナイフでいただく。
コースのオープニングを飾るのが「トマト飴」。お祭りで見かける「リンゴ飴」のミニトマト版とも言えるこのメニューは「幼い頃、お祭りでリンゴ飴を買った気持ちと同じように、ワクワク感を楽しんでいただきたい」という遊び心から。モアイ像を模した「フィナンシェ」、“食べられなそうで食べられる”という注釈のあるメニューなど、楽しさが止まらないプレゼンテーションは、「楽しかったからまた来ようと思う、ディズニーランドのようなレストラン」を目指す杉岡氏のこだわりがあふれ、食通たちの舌だけではなく目をも魅了する。
店内には4テーブルがゆったりと置かれる『プレゼンテ スギ』。
千葉県佐倉にある唯一無二のレストランを家族や友人、同僚やカップル、食の楽しみを共有できる仲間と訪れ、杉岡氏の料理世界を堪能していただきたい。
■アクセス
JR総武本線、成田線 佐倉駅北口よりタクシー5分