築地市場駅から徒歩約6分。銀座8丁目に店を構えるのが鮨店『佐たけ』。鮨の激戦区、銀座で鮨通たちを唸らせた親方の佐竹 大(さたけ たけし)氏が、東銀座で店名も新たに新境地を開く。
佐竹氏は18歳から鮨の道一筋。都内の名店で研鑽を積み、2016年に『すし佐竹』をオープン。人気店としてその名をとどろかせた。そんな中、2020年に惜しまれつつ休業。1年余りの充電期間を経て、2021年5月に『佐たけ』として再スタートを切った。『佐たけ』のコンセプトは、「百年後もスタンダードで在り続ける」。研ぎ澄まされた「握り」とスマートな「おもてなし」。居心地の良い「空間」の三位一体で鮨店『佐たけ』が構成される。
コースは、つまみ数品の後に握りが続く。『佐たけ』の鮨の特徴はなんと言っても70℃ほどの熱い酢飯。酢飯は常温というのが通説だが、その常識を打ち破ったのが佐竹氏。鮨ダネによってその温度も5回も変えるというこだわりを見せる。握りの初手は大トロ。豊洲市場の人気マグロ仲卸・やま幸から仕入れるマグロを、赤酢の効いた熱々の酢飯で握れば、口の中で脂のうま味が広がり口福を満たす。酢飯のサイズはどっしりとしたボリュームのある言わば“男鮨”。ほろほろとほどけるタイプではなく、しっかりと咀嚼してうま味を楽しむパワフルな鮨だ。酢飯には山形のブランド米のつや姫を使用する。
日本酒は、上質の山田錦を使い骨格のしっかりした兵庫「菖蒲渓(しょうぶだに) 生酛」をはじめとした銘酒を20〜30種用意。ワインはフランスを中心に20〜30種揃える。
日本の伝統色で「新橋色」と呼ばれる緑がかった明るい青色ののれんをくぐると、数々の名店を手がけたデザイナーによる洗練された空間が広がり、樹齢約250年の吉野ヒノキの一枚板カウンター(10名)が目を引く。鮨通の食べ歩きメンバーやカップルなどで利用されるほか、カウンター席の個室(5名)も用意されるので家族や仕事仲間といったグループでも。
鮨道を極めた佐竹氏の、酢飯の温度+鮨ダネの華麗なるコラボレーションを堪能していただきたい。
■アクセス
大江戸線築地市場駅から徒歩6分