表参道駅から徒歩10分弱の南青山に店を構えるのが、『NéMo(ネモ)』。時代を先取るこの地で「何か新しいことを発信したい」というシェフの根本 憲一(ねもと けんいち)氏が腕を振るう。
『レ・クリアシヨン・ド・ナリサワ』からスタートし、『エメ・ヴィベール』や『ルカンケ』で修業を重ねた根本氏は、その後フランスへ。1年半後に帰国し、三つ星『カンテサンス』で6年あまり研鑽を積み独立。2021年6月に自身のレストラン『NéMo』をオープンした。
テーマは「自然」。ダイニングは木漏れ日が差し込み、まるで我が家にいるような雰囲気だ。「肩肘はらず、上質な料理を楽しんでいただきたい」という根本氏。食事の際の談笑もBGM、という想いから予約は2名以上で受けつける。
幼い頃から祖父に連れられて魚釣りに興じたという根本氏は、魚介に対する思い入れが人一倍強く、漁師より直接仕入れることもある。繊細な食材選びで、刺身の提供もあるほどだ。一方、調理は魚介はもちろん肉、野菜まですべて火入れにこだわり、丁寧にじっくりと火を入れていく。中でも目を引くのがアナゴ料理。アナゴの目利きに定評のある豊洲市場の人気仲買・ウエケンより仕入れる長崎・対馬産アナゴをフリットし、マカダミアナッツと合わせる一皿は一番の人気メニューだ。火入れのこだわりはデザートにまで及び、「トリュフのスフレ」ほかレストランだからこそ味わうことができる、ライブ感あふれる〆の一品まで食べ手の心をつかんで離さない。
ワインペアリングとティーペアリングも用意され、ワインはフランスを中心に世界中の約300種類の中からセレクト。二つ星『ベージュ アラン・デュカス 東京』でシェフソムリエを務めた支配人の寺島 唯斗(てらしま ゆいと)氏が、根本氏が作り出す一皿一皿に寄り添うペアリングを巧みに提案する。
料理を彩る器も、作家たちの元に足を運び決めた。岐阜県多治見の新里 明士氏、多治見出身で金沢在住の板屋 成美氏による陶器や、北海道の臼田 健二氏作の木の器。またカトラリーは、イギリスのstudio william社をはじめ、柄が木製のナイフ・ペルスヴァル9.47を使用するなど、機能とストーリー性を持ち合わせる素材に特化する。ダイニングはテーブル7卓(18席)に個室(6名)も設けられる。
家族や友人、仕事仲間やカップルなどで『NéMo』を利用され、洗練されたサービスにくつろぎながら上質な料理を堪能していただきたい。
※世界的グルメガイド東京 2023年度版にて一つ星を獲得
■アクセス
表参道駅より徒歩9分