JR山形駅から車で10分、市街地の落ち着いた街並みの一角にある『レストラン パ・マル』。中に一歩入ると、黒を基調としたシックなカウンターがゲストを迎える。ポップな色調の絵が飾られ、奥はオープンキッチン。この店のあるじが立ち働く様子が見える。
シェフ村山 優輔(むらやま ゆうすけ)氏は山形県出身。高校卒業後山形や東京で修業ののち、故郷山形に戻り、25歳で山形県天童市に『ビストロ パ・マル』を開業。2017年に現在地に『レストラン パ・マル』として移転オープンした。フレンチの神髄ともいえるソースを大切に、クラシックを基調としたフランス料理が村山氏の真骨頂。故郷山形を深く知るシェフによる、山形食材で表現するフランス料理だ。
食材は基本的に山形県内のもの。春は地元山形の山菜、秋・冬は地元の懇意のハンターから手に入れるイノシシやカモなどのジビエ。また地元産の仔羊、魚は酒田から入手するサワラやサクラマスなどを用いる。野菜は河北地方でイタリア野菜を研究・栽培する「かほくイタリア野菜研究会」からホワイトアスパラなどの洋野菜、冬場はトレヴィーゾなど。トリュフやキャビア、フォアグラよりも、地元山形の食材を生かすことを意図している。
料理に合わせるワインは、フランスほか地元山形のワイナリーのものを多くそろえる。山形にはワイナリーが20軒近くあって層が厚い。また山形の日本酒の用意もあり、それらから料理に合わせてペアリングを提供している。ペアリングは、料理の皿数に応じて杯数の調整が可能で、量も臨機応変に対応してくれる。器は地元のうつわ作家、矢萩 誉大(やはぎ たかひろ)氏の清楚な白磁を中心に、料理の色を引き立てる落ち着いた皿を多く用いる。サービスはシェフの弟である村山 竜章(むらやま たつあき)氏が担当、兄弟の息の合ったサービスで楽しませる。
店内は黒が基調の都会的な1階と、一転して白が基調の明るい2階。1階はカウンター7席、2階はテーブル3卓12名で、ゲストは一度に10名以内におさえられている。家族で、また記念日のお祝いやカップルの利用はもちろん、シェフのフランス料理を楽しむために一人で来店するゲストも多い。半数以上は県外からのゲスト。お子様はおおよそ中学生以上の大人と同じコースを食べられる年齢から、小さいお子様は貸切のみの対応となる。山形でこそ味わえるクラシックフレンチの楽しさを、ぜひ『レストラン パ・マル』で体験していただきたい。
■アクセス
山形駅東口より徒歩20分
徒歩またはタクシーをご利用ください。