群馬県高崎市のJR高崎駅から車で約15分。緑豊かで閑静な住宅街に店を構えるのが『天ぷら もっこす』。店主の山口 浩(やまぐち ひろし)氏が腕を振るう。
山口氏は、老舗の『天ぷら新宿つな八』で8年修業。そば割烹の六本木『欅くろさわ』で2年研鑽を積み独立、その後2006年に高崎市に移り、『天ぷら もっこす』をオープンした。店名にある“もっこす”は、山口氏の故郷・熊本の言葉で、熊本生まれの頑固な男性を「肥後もっこす」と呼ぶことに由来。「天ぷらのおいしさに頑固にこだわりたい」という想いが込められる。
そのこだわりの一つは、天ぷらを揚げる油。植物性の「太白胡麻油」を100%使い、胃にもたれにくいという食後感を大切にする。小麦粉は、地元群馬県産「白金鶴」と「スーパーバイオレット」をブレンド。料理には、隣町の藤岡市にある山で汲んだ「上平の名水」を使用する。
魚介は、毎日豊洲市場に買い付けに行く高崎の仲卸「ウオイチ」より。野菜は地元の農家に足を運び仕入れる。「冬には、ほうれん草の根を太く育ててもらい、そのホクホクして滋味深い味を楽しんでもらいたい」と食材、天ダネへのこだわりも止まらない。
コースは先付け、サラダ、お造りの後、天ぷら10品が提供される。お造りには、故郷・熊本から届く新鮮な「馬刺し」も添えられる。馬刺しは熊本のしょう油で。他は1年間熟成させたものを絞った無添加の自家製しょう油でいただく。天ぷらは、天つゆと塩で。塩はヒマラヤ山脈の岩塩をお客様の目の前で削る。
看板メニューは鮨天ぷらの「ウニ」。一日5枚しか出ないと言われる一番競りのウニを、赤酢を効かして揚げた酢飯の上にのせ、海苔で巻いていただくという『天ぷら もっこす』ならではの逸品だ。
日本酒は群馬や熊本を中心に全国の銘酒をそろえる。ワインに関してはシャンパーニュと天ぷらのマリアージュに力を入れており、ボトルでオンリストされるシャンパーニュの中には愛飲家憧れの「サロン」の名前も。グラスシャンパーニュも用意される。
店舗は地元の作家によるフクロウのオブジェが目印。大きなダクトが目を引く店内にはカウンター8席。入口が別の特別個室(2〜5名)もある。家族や友人、同僚やカップルで利用され、四季折々の群馬の魅力に触れていただきたい。
■アクセス
高崎駅東口よりタクシーで15分