姫路駅から徒歩約8分で姫路城も徒歩圏内、姫路の魅力を感じるロケーションにあるのが『日本料理 淡流(たんりゅう)』。大将の中江 悠文(なかえ ひさふみ)氏が、地元・兵庫播州の食材をふんだんに使った料理でお客様をもてなす。
中江氏は兵庫県高砂市出身。料理人としてのキャリアを積むために、オーストラリアやドバイの日本料理店で腕を磨いた。その後「食材から器まで日本料理を一から学び直したい」と帰国を決意。二つ星『銀座小十』に入店すると料理長を任せられ、5年半腕を振るった。それから独立を視野に入れ帰郷。ホテルや旅館で研鑽を積んだのち、提供する日本酒の知識を深めるために加古川市『岡田本家』の酒蔵で、蔵人として酒造りも経験。満を持して2019年、自身の店『日本料理 淡流』をオープンした。
店名の『淡流』は、中江氏自身も講師として携わる表千家流茶道の「淡々として水の流れるがごとく」という精神に由来。奇をてらうことなく淡々と自然体で、派手なパフォーマンスに頼らず何度でも来店したいと思えるような料理を提供する。
魚介や野菜はできる限り地元のものを使い、生産者に会って知り得たストーリーさえも献立に反映する。鮎のシーズンには、揖保川の契約エリアまで毎朝2時間かけて往復し受け取りに行く。山菜は自身が山に入り採り、タケノコも掘るというこだわりよう。「いずれは竹林を購入し、自分が手塩にかけたタケノコをお出ししたい」と力が入る。
赤穂の天然アワビ、千種川ウナギ、三田市のジュンサイ。秋には三田市の栗、瀬戸内のワタリガ二。スペシャリテは、それらの旬の食材を焼く、蒸す、煮るとシンプルに仕上げたお皿の数々だと言える。お茶の心を感じるコース料理は、前菜1〜2品から始まり、お椀、お造り、焼きものやご飯まで10品。中江氏が目の前で点てるお茶で締めくくる。
播州のもののみ置く日本酒の中でも、自身が蔵人体験をした岡田本家の盛典は、「やさしい杜氏の顔が見え、自信を持っておすすめできる日本酒だ」と話す。
聚楽壁、竹の網代と数寄屋づくりにこだわった店内は、吉野ヒノキのL字カウンター(8席)が目を引く。淡々と流れる料理に寄り添う器にも思い入れを持ち、千葉・上総の山中にひっそりと暮らす陶工、盆出 哲宣(ぼんで あきのり)氏の器とは長い付き合いがある。ゆったり過ごすことのできる個室(6席)も用意されるので家族や同僚、カップルでも、食通仲間との食べ歩きでも、さまざまなシチュエーションで利用され、『日本料理 淡流』の上質な料理、器を堪能していただきたい。
アクセス
姫路駅より徒歩10分