古く落ち着いた街並み、細い路地を流れる水路。『LURRA°(ルーラ)』は国際都市・京都の中心部、三条にある築130年超の趣ある京町家を改装して建てられた。地下鉄東西線東山駅から徒歩1分、店のすぐそばには琵琶湖疎水(岡崎疎水)の支流がゆったりと流れている。
『LURRA°』は、3人の共同経営体制をとっている。シェフのJacob Kear(ジェイカブ・キア)氏、GM・CO-OWNERの宮下 拓己(みやした たくみ)氏、ソムリエの堺部 雄介(さかべ ゆうすけ)氏。3人は、ニュージーランドのレストランで修業中に出会った仲間で独立するアイデアをあたため、日本を代表する文化的・歴史的背景を持つ京都をその場所に選んだ。2019年に開業した翌年には一つ星を獲得している。
料理はガスの火を使わず、2種類の薪の火で調理する。食材の顔が見える、わかりやすくシンプルな料理だ。タケノコなど京野菜を中心とした四季折々の食材に、塩漬けやピクルス、自家製の発酵調味料などが味と香りをのせる。ジェイカブ氏はデンマークの『NOMA』で修業経験があり、そのときの北欧料理の技術や料理の精神が『LURRA°』の料理に生かされている。
コース料理にはペアリングのドリンクがつく。アルコール・ノンアルコールともに料理に合わせて提供され、体調や好みに合わせて、アルコールとノンアルコールを途中で入れ替えることも可能だ。アルコールペアリングのほかに、フランスやイタリアのものなどボトルワインや、日本酒も数種類用意されている。
木の温かみを生かし、京町家ならではの蓄積された時間をも感じさせる店内は、厨房を囲む10席のカウンター。そのどこからでも、『LURRA°』のシンボル的な存在である厨房の薪の火が見える。ゲストは多くがこの店を目指して訪れる。お子様は貸切(8名様以上)ならば入店可能だ。スタッフは全員英語が話せ、フランス語での説明も受けられる。
入り口わきに大きな楕円形のテーブルがある。名前は「irori(囲炉裏)」。こちらでその日ともに料理を楽しんだゲスト全員が、デザートを一緒にいただく。この空間のあたたかさこそが『LURRA°』の目指すもの。ぜひこの空間と料理を味わいに、京都を訪れてみてはいかがだろうか。
※世界的グルメガイド京都・大阪 2023年度版にて一つ星を獲得
■アクセス
京都市営地下鉄 東西線東山駅一番出口 徒歩1分