金沢駅西口から目抜き通りを一本入った住宅街、徒歩7分という交通至便の地にある『エクティル』。一軒家に掲げられた店名の小さなサインから導かれるように歩むと、奥には店名を染め抜いた軽やかな暖簾がゲストを迎える。
シェフ川本 紀男(かわもと・のりお)氏は1964年金沢生まれ。「地元金沢にグランメゾンを作りたい」との想いで、金沢市内に『プレミナンス』を開業した。フランスより農事功労章「シュヴァリエ」を受勲、2021年には一つ星を獲得している。その石川県を代表するフランス料理のシェフ川本氏が新たに開いたのが『エクティル』だ。
店名はフランス語で”素材に耳を傾ける”という意味を持つ造語。素材に耳を傾け、ゲストに感動をという前店時代からの理念はそのままに、シェフの手元、素材が料理に変わるさまをより近くで見られることで、それはよりストレートに伝わってくる。
料理に用いるのは四季折々の石川、北陸の食材。石川県ブランド牛の「能登牛」をはじめとして、能登島の野菜や宇出津、七尾、金沢港、富山湾などの魚介類など。川本氏がこれまで自ら足を運び築いてきた生産者たちからその日最良の食材が届けられる。季節によっては白山ふもと会(石川県)からもたらされるジビエ――イノシシ、クマなどが皿を彩る。また、霊峰白山から届く山野草も欠かせないアクセントだ。わさび、のぜり、くろもじ等々、パウダーにしたり、オイルに香りを載せることで、「里山の野草(のぐさ)」が北陸の自然の豊かさをよりあざやかに見せる。
ワインは8割がフランスのもの。シャンパーニュ25種類。アルコールペアリングはフランスワイン・日本酒で設定、ノンアルコールペアリングは四国のミックスジュースを含めたものやお茶などで構成している。
内装も、厨房の中心的位置を占める薪窯をはじめ、川本氏が自ら手を加えて作り上げた想いが詰まったものだ。薪窯には薪火の熾火と炭火の両方を設置。客席8はL字変形のカウンター9席、4名テーブル席が1卓。少人数の接待をはじめ、テーブル席では親しい方の顔合わせ、記念日、お祝いなどの席に利用もでき、また川本氏の料理を目指して訪れる美食の集まりも多い。お子様は小学生以上で大人と同じコースを召し上がれる場合は案内可能で、貸切の場合は小さいお子様も可能。海外からのゲストには、簡単な英語での料理説明は可能だ。
店内に入るとまず目に飛び込む伝統加賀梅鉢紋と桜の大きな金箔画。横幅5m天地2mという大きなもので、金沢という土地をゲストに印象付ける。お祝い事や、グループで、そして観光、友人とともにあらゆるシーンに対応いただける『エクティル』に是非足を運んでいただきたい。
■アクセス
金沢駅西口より徒歩7分